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zoom RSS 詩について2

<<   作成日時 : 2008/10/10 22:05   >>

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今度は趣向を変えて漢詩を紹介します。

   「無題」 
                李商隠

 相見時難別亦難       相見る時は難く別るるも亦難し
 東風力無百花残       東風力なく百花残る
 春蚕死到絲方盡       春蚕死に到りて糸方めて尽き
 蠟炬灰成涙始乾       蠟炬灰となり涙始めて乾く
 暁鏡但愁雲鬢改       暁鏡に但だ愁う雲鬢の改まるを
 夜吟応覚月光寒       夜吟応に覚ゆべし月光の寒きを
 蓬山此去無多路       蓬山此より去ること多路無し
 青鳥慇勤為探看       青鳥慇勤為に探り看よ
   
 
 逢瀬すらままならぬ恋ゆえ、会えば別れはこんなにも辛い。春の風よ、お前は本来万物に生をよみがえらせる恵みではなかったのか? けだるげに吹き寄せる東の風に、花々はしおれて枯れ残る。残んの春、無残な私達の恋。
 美しい繭を作るために、春の蚕は糸を吐き尽して、そうして死ぬという。私達の恋も思いの糸を吐き尽して終わる定めなのだろう。ロウソクが灯りつつしたらすロウの雫は涙。燃え尽きて初めて乾く涙。私達二人も灰となるまで流し続けるのだろう。
 ただ気がかりです、貴女が朝化粧をしようとして覗く暁の鏡にかつては緑さす雲かとまがうた髪の毛が、すっかりやつれて映っているのではと。夜寝付かれぬまま口ずさむ詩に貴女はかえって月光の寒さを感じておられますね。かつて二人して月の光を浴びつつ唱和したあの詩に。
 仙人が住むという蓬山ここからそう遠くないという。幸せをもたらすという鳥よ。どうかあの人の様子を見て来てくれないか。


 悲しい恋に揺れ動く心理が、比喩を用いて巧みに描かれているのが素敵ですよね。自然描写に自己の感情を投影するというのは漢詩の基本パターンですが、思いの糸を吐き尽すとか、ろうそくのように燃え尽きて初めて乾く涙とか、具体的でリアリティがあり、それだけに分かり易い感情表現だなぁと思います。

 いつの時代でも恋愛に心動かされる人の心は変わらないというところでしょうか・・・。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
たった7文字の漢字がアートしてる。
これぞポエムだね〜
とく
2008/10/11 01:43

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